心臓の音が聞こえる。
相手は男の子だから緊張するに決まってる。だって私男の子とまともに話した事すら無いんだもの。

「ちはるんはさ、まず一回彼氏作らなぢゃね？」
ギャルの友達　ゆい
私の唯一にしていちばんの友達。
中学からの仲で調理実習の時同じ班になり私の包丁さばきを見て一目置かれている。たったそれだけの接点だったが今もこうして仲良くしてくれているのだから恐ろしい。彼女と一緒にいる時だけはギャルになれている気がして心なしか髪も巻かれている気がする。

久々に東京に遊びにきたのだからと渋谷駅を降りスクランブル交差点をわたったさ先にあるスタバで恋の花を咲かせていた。

「りぃめろのカラコンどこのだろ？？マヂ可愛くない？これつけたら彼氏絶対できるし、上地くんともワンちゃんある🤩✨」

今時上地雄輔を推しているのはこの子だけだろうな…
「え、ちはるん見てこれエロくね？www」
話題がコロコロ変わるのは昔からでこの軽さが逆に話しやすかったりする。物事を深く考えすぎるので心にギャルどころか会えるギャルがいる本当に助かっている。
青色のホームページには某アイドルに似た方、リーダーシップを感じる男らしい方、マスコットのようなキュートな唇をした方妖しげな雰囲気を放つ方が写るバーナーがあり、それをスクロールした先にストレッチ…？
破廉恥なビデオでしか見たことのない映像があった。
「ちょっとやめなよ…」
オアシスという名前をしっかり脳内にメモをとり
やめるように言った。
「やばーい、うちこの子タイプかも甘々な顔と筋肉がギャップやばい」
確かにイケメンだけれど本当にこんな人たちとそんな事するの?？
ゆいがスクロールした先にチラリと見えたはるかの文字。
ｷｭﾝ。
今、確実に脈々と下腹部の辺りが暑くなるのを感じた。

つづく。